コーヒーにストローを挿して愛が芽生えかけた日記

裏タイトル

死のおっさんずラブ

こんにちは、フクイチです。

※裏タイトルとは、正式な記事タイトルとは別に、遊び心でつけたタイトルです。

もし「コンビニでコーヒーを買ってきて」と言われたら、皆さんはどう解釈するでしょうか。

セブンイレブンか、ローソンか、デイリーヤマザキか、セイコーマートか。
ジョージアか、WONDAか、コンビニのオリジナルコーヒーか。

あまりにも多い組み合わせの中から、私が買ってきたのはこちらです。

ファミリーマートで売られている、コメダ珈琲店「まろやかミルクコーヒー」です。

見慣れた人なら「あ、コメダの色だ」と瞬時に連想できる文字色。
オレンジというよりは朱色に近いこの色は、後の世に「コメダ色」と呼ばれることでしょう。
そう、今日はコメダ色に染まった日記です。

その日ファミリーマートにて、コーヒーの棚の前で目移りしていた私を呼び止めたのは、この人でした。

フタに描かれている、謎のジェントルマンです。
おいしそうな、少なくともこのコーヒー自体よりは高級そうなコーヒーを楽しんでいます。

何かしらのキャラクター名があるのかと思って調べてみましたが、情報は見つかりませんでした。
ですが、

コメダ珈琲店の公式Twitterアカウントで「コメダおじさん」と呼ばれているので、そう呼ばせてもらいましょう。

コメダおじさん。
彼はほぼ確実に猫を飼っているし、脚がくるっと曲がってる椅子を愛用しているでしょう。
こういう遊び心のあるデザインがいいですね。

ちなみに、別のコンビニで買った別のコーヒーもありますので、比較のためにご覧ください。

 

コンビニの名誉に配慮してロゴにはモザイクを入れましたが、どうですか、この直球デザインのフタ。
色はキンキラに輝くブロンズですが、あとは何のひねりも感じられません。
もちろん、ラグジュアリー感一本勝負でアピールする姿勢は好きですが、承認欲求だけでは超えられない壁があることも知ってほしいですね。

ちょっと心がトゲトゲしてしまいました。コメダおじさんを見て落ち着きましょう。

 

ああ、落ち着く。
このままおじさんがコーヒーを飲み干すまでを見届けて、片眼鏡を何回くいっとしたか数えたくなりますが、忘れないで下さいこれはコーヒーです。
飲まなきゃ。

美しいデザインに傷をつけるのが少しためらわれますが、付属のストローを挿しましょう。

 

…どこに?

ストロー、どこに挿そう。
このすぐれたデザインに穴を開けてしまうなら、せめて挿すポイントは考えたい。

そのとき、私は思いついてしまいました。

 

おじさんの口に挿したら、タバコを吸ってるみたいになるんじゃないか?

喫茶店にタバコはつきものです。
彼が普段吸うのは葉巻でしょうか。それともパイプでしょうか。まさかのアイコスでしょうか。
その私生活は想像の域を出ませんが、この粋なデザインにもう一つ、ストローという小道具で楽しさをプラスできないかと考えたわけです。

では、コメおじの口元をめがけて、インサート!

 

 

ストロー太すぎた。

ベコッ!というすさまじい音とともに、顔面からデコルテに至るまでを貫通させてしまいました。
癒しのひと時を提供するはずが、プラスチック棒術で必殺技を繰り出してしまったようです。

3次元の世界からの刺客によって、くつろぎの最中に落命してしまったコメダおじさん。あまりにも忍びない。
お悔やみに行きます。お線香代わりにアイコスを持って行きます。

 

リベンジ!

ファミリーマートに走って、コメダおじさんをもう一人買ってきました。蘇生が早すぎてマリオみたいです。
そして私、同じ過ちは繰り返しません。

 

ホームセンターで、付属のストローよりもはるかにほっそ~いストローを購入しました。
120本入りで160円です。こんなにいらないから1本1円で売ってくれないかな。(包装に40円かかってる計算)

付属のストローと比べると、ほら、こんなに細い。

さらに、前回の試行によって、いきなりストローを挿すと衝撃が強すぎるという知見を得たため、

あらかじめキリで小さい穴を開け、そこに挿し込みます。
かつて、珈琲を飲むためだけに大工仕事に手を染めた人間がいたでしょうか?

PDCAを回してこれだけの改良を重ねました。もう迷いはありません。
今度こそ、おじさんにシガレットをインサート!

 

…うん。

さっきよりは改善。
少なくとも胸元は無事です。

タバコというよりは、あらん限りの大口を開けて恵方巻を食べている図に近いですが、まあ許してもらいましょう!
おじさん、ちょっと太めですが、巨人のタバコだと思って吸ってください。

それにしても、太いだけじゃなくて、めっさ長いですねこのタバコ。

測ってみました。実寸3cmです。
一方、おじさんの顔の長さは実寸5mmでした。
私の顔の長さが20cmだったので、その比率で考えると、おじさんは実に120cmのタバコを吸っていることになります。

一般的なタバコは85mmらしい1参考ので、なんと約14倍の長さ。
仮に、普通の人がタバコを5分で吸い終わるとして単純計算すると、おじさんの一服は70分かかります!

職場でコメダおじさんが、キーボードから手を離してふらりと喫煙所へ。
タバコを吸わない部下は「またタバコかよ…喫煙者は堂々と休憩できていいよなー。まあ5分もしたら戻ってくるだろ…」とぼやきそうなところです。
その休憩が、連続ドラマの初回拡大版にも迫るほど長いなんて、いったい誰が考えるでしょうか。
おじさんの隙をついて退職届を書く部下の姿が目に浮かびます。

 

さて、想像もひととおり楽しんだので、私もこのコーヒーをいただこうかな。

 

…ん?

ちょっと待て、今私は何をしようとしてるんだ?

だってこれ、タバコですよね?
ストローじゃなくて、今タバコになったんですよね?
その端っこに口をつけようとしている私、この構図が示すところは、

 

男同士でニコチンポッキーゲーム

いやあああああああああああああああ!
ダメ!これはダメ!どんな世界線でもタバコを反対側からくわえるのはダメ!たちどころに舌がヤケドする!
肉体的にも社会的にも死ぬやつ!

この状況、ぺこぱに言わせれば、
「いや、男同士でポッキーゲームッ!……してもいいじゃないか!いろんな愛のカタチがあっていい…」
とやさしく認めてくれそうですが、さすがにそれをタバコで決行するのは擁護してくれないでしょう。

裏タイトル

死のおっさんずラブ

 

え、じゃあ私はどうしたらいいんだ…?

ここはひとつ、ぺこぱに時を戻してもらって、ストローを挿し直す?
いや、せっかくの一服を邪魔したくはないですし、タバコを差し出しておいて取り上げるとは何事だ!と逆にリストラを食らいそうです。
何よりも、今大忙しのぺこぱが、こんなネタのために来てくれるとは思えません。

じゃあ、おじさんが吸い終わるまで待ちますか?70分も?待てますか?

うーん…タバコは引き続き吸ってもらいたい。でも私は私でコーヒーを飲みたい。
どうすれば…
と、ふとコーヒーの側面に目をやると、

使ってないストローが。

じゃあ、こうするしかない。

 

もう一カ所に挿しました。
立ち昇るタバコの煙を想像で感じつつ、私はこちらから頂きます。
ひとりぼっちなのにストローを二本挿しするなど、これはこれで孤独を加速させる悲しい行為ですが、コメダおじさんに敬意を払ったからこそだと理解してください。

 


二次元の恋人と見つめ合いながら飲んだコーヒーですが、その名の通りまろやかでおいしかったです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!