こんにちは、フクイチです。
今まで関心を持ちつつ自分はいいや、と避けていましたが、世の潮流には逆らえず、ついに私もLINE Payを始めました。
現金、クレジットカード、PASMOに次ぐ、第4の支払い手段を手に入れたのです。
LINE Payの始め方ですが、やはり最近のアプリは何も知らない人でも使いやすいように進化しています。
LINEアプリの右下にある「ウォレット」をタップすると、「LINE Payをはじめる」と高らかに表示されるので、個人情報をLINEに捧げる覚悟を決めつつタップします。
そうすると、
なんと、30秒で申込み完了するというのです。
考えてもみて下さい。私たちの日常における行動で、30秒で完了するものがどれだけあるでしょうか?
マクドでチキンナゲットを頼むときでさえ、バーベキューソースかマスタードソースかで30秒ぐらいは悩むというのに。
それは悩みすぎ
未経験への扉の軽さに感動しつつ「はじめる」をタップ。
しかし次の画面で、私は情報の洪水に呑まれることになるのです。
- LINE Cashアカウント利用規約
- プライバシーポリシー
- LINEユーザー情報提供ポリシー
これら全てに同意せよ、というのです。
さもなければ、「新規登録」ボタンがグリーンに灯ることはありません。F1レーサーも発進できません。
仕方がない読んでやるか、と当然タップすることになるわけですが、
LINE Cashアカウント利用規約
こんな感じの文章が36.5画面
プライバシーポリシー
こんな感じの文章が10画面
LINEユーザー情報提供ポリシー
こんな感じの文章が2画面
以上、合計48.5画面分の文章を!
30秒で!
読めと!
LINE様はのたまうのです!
なんと高いハードルでしょうか。
天空の城ラピュタのドーラでさえ、パズーが支度するのに40秒待ってくれたというのに。
では、このまま今日のテーマ行きます。
検証しましょう。
もうお前は登録したんだろ
先ほど「48.5画面」と言いましたが、文字数にするとどうなるんでしょうか?
3つの規約は、いずれもWEB上に公開されています。
これらの文章をテキストエディタにコピペし、文字数を数えました。
その合計は、
30,383文字
約3万字を30秒で読みたまえ、とのご命令です。
秒速1000文字です。
冷や汗。
ここで「無理だろ」と無条件降伏してはいけません。
なぜなら、これは日本のみならず世界中のコミュニケーションアプリ界を制圧した、LINE様のお言葉だからです。
天下に名をとどろかせるLINE様が、物理的に不可能なことをおっしゃるはずがありません。
では、これからLINE Payを登録しようとする私たちは、どうすればいいんでしょうか?
お前は読み飛ばしたんだろ
一つ、ヒントになりそうな技術があります。
長文を驚くべき速度で読破する技術、「速読」です。
調べたところ、「日本速脳速読協会」という、速読のトレーニングや検定を行っている団体があるようです。
上記サイトの「速読の効果と特長」というページには、速読について「斜め読みや飛ばし読みではない、理解度や記憶力をともなった読み方」とあります。
LINE Payの規約を読破する上でも、内容を理解しなければ同意できませんから、この手法はぴったりなのではないでしょうか。
では、速読を習得すると、どの程度の速さで文字が読めるようになるんでしょうか?
同協会が実施している「速読力検定」では、文章を読解する速度によって段・級が設定されています。
最高位は5段ですが、2段、3段の時点で「司法試験などの上位資格試験で実力を発揮できる速さ」とされています。
それをも上回る5段、2017年には1名しか認定されていない、その読解速度は!
2,100文字/分
すなわち、秒速35文字。
え、LINEが要求しているのは秒速1000文字のはずでは?
日本速脳速読協会認定最高段位でさえ、目標の3.5%でしかありません!
これで判明しました。
LINE Payを30秒で申込み完了できるのは、東大京大は通過儀礼、司法試験など赤子の手をひねるがごとし、Googleの量子コンピューターをも軽々と凌駕する思考スピードを持つ人類史上最高レベルの天才しかいません。
もはや伝説の域です。
そんな伝説上の天才が、セブンイレブンでLINE Payを使って週刊文春を買ったりするだろうかという疑問は残りますが、速読だの司法試験だの、さっきから我々凡庸な一般人は置いてけぼりではないですか。
LINEさん、30秒で申込み完了とはどういう了見なんでしょうか?
もう使ってるんだったら詰め寄るなよ
もしかして、LINEさんの考えはこうなんでしょうか。
いくらなんでも、初見の長文を30秒で読み切れるわけがない。
しかし、子どもの頃に読んだことがある文章であれば、30秒もあれば思い出せるだろう。
つまり、
小学校高学年もしくは中学校の段階で、既存の教科に加えて「LINE」という教科を導入する。
そして、LINEやLINE Payの使い方を、利用規約まで含めて叩き込もうという魂胆なのでは?
そうすれば、大人になってからLINE Payを始めるとき、規約の文章を見て子どもの頃の授業が思い起こされ、もっと勉強熱心だった人なら「あっ、これ進研ゼミでやったところだ!」というノリであっという間に理解し、同意するかどうか30秒で判断できます。
なんと、「30秒で申込み完了」というお手軽キャッチフレーズの裏には、学習指導要領にメスを入れて全国民をLINE色に染め上げようという、恐るべき計略が用意されていたのです!
悪の組織そのものじゃないか
そうとでも考えないと、LINEさん嘘つきになっちゃいますから。仕方ないじゃないですか。