西野カナ手当

旅行の話です。
マカオ観光では、いくつかオプショナルツアーが選べたんですが、その一つに「マカオタワーからのバンジージャンプ」なるものがありました。
ギネスブックに認定されている、世界一高いところからのバンジージャンプということです。


(マカオタワーの1階にあったパネル)

ただし、これをやるなら自費で5万円かかります。
それでも何人かは申し込んでましたし、「2万円だったら申し込んでた」と言っている同僚もいました。

私はやりたくありません。もちろん申し込みませんでした。

  • バンジージャンプ
  • ジェットコースター
  • お化け屋敷

こういった、スリルを売りにしているアトラクションは全部嫌です。

なんでわざわざ「恐怖を購入」するんですか?
自らお金を出して恐怖体験を買っている人を見ると、やはり「楽しいと思うこと」って人それぞれなんだな、としみじみ思います。
私はバンジージャンプなんて、たとえお金をもらってもやりたくありません!

一億円でも?

え、一億円?一回跳んだだけで?
うーーん…

だったらやるかな。
一億円もらえるんだったら、コスパがいいのでやります。
契約書を入念に確認した上でやります。(税金の扱いとか)

このように、大金をちらつかされると私でも気持ちが動いてしまうわけですが、いくらなんでも一回跳んだだけで、一億円なんてもらえるわけがありません。
では、どれぐらいの金額が「一回のバンジージャンプ」の対価として妥当なんでしょうか?
今日はこれについて考えます。

よく嫌なことについてそれだけ考えられるな

さて、「お金をもらって行う行為」といえば、それは「労働」です。
つまりここでは、バンジージャンプを労働ととらえて、それに見合った賃金の額を考えるわけです。
よって、発端となったのはマカオのバンジージャンプですが、なにしろ通貨からして違うので実感しにくい。
というわけで、日本のバンジージャンプで考えましょう。

日本でバンジージャンプができるところを調べたところ、関東圏でそれなりの高さがある場所、ということで、群馬県の猿ヶ京バンジーというスポットが見つかりました。
関東圏と言っても、自宅からはかなりの距離があります。
当然ながら、その交通費は支給して頂かないと困ります。労働ですからね。

次に、賃金はどうやって決まるのか。
まあ単純に考えれば、時給×労働時間、ですよね。
上記のスポットが載っているBungy Japanというページによると、バンジージャンプの所要時間は1時間半~2時間ほど、とのことです。
まあ、ここでは2時間としておきましょう。

あと、勤務地すなわち群馬県の最低賃金は809円なので、809円×2時間は、

1,618円

これが最低条件です。これを下回ると法律違反です。
ここまでいいですか?

そこまで調べたんだったら跳べよ

しかし、どう考えても安い!
この額では承服しかねます。
やはり、「高所から飛び降りる」という心理的プレッシャーを伴うわけですから、それを考慮した時給でなければなりません。

そこで、労働条件が似ているということで、高所作業を専門に行う会社「株式会社 特殊高所技術」の、求人情報を参考にしてみましょう。
記載されている給与と勤務時間から計算すると、時給は最低でも941円、と出ました。
これを基にすると、941円×2時間で、

1,882円

あれ?ほとんど変わってない…
却下!納得できません。

いいから跳べよ

もっと真剣に考えましょう。
バンジージャンプですよ?
ロープ一本でダイビングするんですよ?

それをやるとなったら、勤務日(跳ぶ日のことですよ)当日だけでなく、一週間前ぐらいから恐怖におびえる日々を過ごすことになり、日常生活への影響は計り知れません。
よって、事前の一週間も「恐怖に耐えるという心理的業務」をこなしていると考え、賃金を頂くべきではないでしょうか!

これは大きいですよ。
一日6時間睡眠として、残り18時間は震えっぱなし(つまりタイトルはそういうことです)、それが7日間だから18×7=126時間!
さっきの時給で考えると、941円×126時間=11万8566円!
よって、これと当日の給料を足した総計は、

12万448円!

プラス交通費!忘れたとは言わせません!

そうか…一週間恐怖と戦い、命を危険にさらして12万円ちょいか…
まあ、私のようなド素人がもらえるお給料としては、これが妥当なところ、なんでしょうね…

よし、その金額もらったら跳ぶんだな?

えー、日本国憲法には「職業選択の自由」というものがありましてですね。