ちょっと前の話ですが、スマホを機種変更しました。
で、画面を保護するためのガラスフィルムを買いに行ったんです。
家電量販店の売り場に行くと、
「ヒビ割れしない」
「端まで覆う」
「美しい透明感」
「指ざわり抜群」
「ブルーライト低減」
同じようなキャッチフレーズがついている、数十種類のガラスフィルムがぶら下がっています。
値段は安いものだと1,500円、高いと4,000円ほど。
どれにしたらええんや。
迷わないように、ガラスフィルムの専門家(この道一筋30年、ガラスフィルムの生き字引と称される)を配置してほしいものです。
しかし私には、ガラスフィルムそのものの質よりも、気になることがありました。
「貼り付けも店でやってくれるのか?」
店員さんに聞いたところ、どのフィルムもお願いすれば貼り付けてくれるけど、作業代が1,080円かかるとのこと。
私は手先があまり器用ではないので、お願いしたい気もするんですが、それだけのために1,080円となると悩みます。
しかも、だいたいどのフィルムを見ても、「貼り付け簡単!」「気泡が入りにくい!」とパッケージに書かれています。
中には、「ズレずにきれいに貼れる、貼り付けキット付属!」なんて物もあります。
これはつまり、「一般的な器用さの人であれば、フィルムの貼り付けぐらいできますよ」というメッセージ、いや挑戦状と受け取るべきでしょう。
果たして、私の器用さレベルは「一般的」の範囲に収まるのか?
それとも、潔く「自分、不器用ですから」と降伏して、1,080円出してお願いするべきか?
相当悩みました。めっちゃ悩みました。
その末に、私がどちらを選択したか?
は、ひとまず置いときましょう。
今日は、私のように店頭で苦悩する人を減らすために、
を考えましょう。
いや、お前はどっちにしたんだよ
まず、最も簡単な方法として思いつくのは、「売り場にフィルムのサンプルを置いておく」ことですね。
化粧品売り場のテスターと似た発想です。
つまり、お客さんに貼り付け作業を体験してもらうわけです。
それで「あ、これなら自分でできるわ」と思ったらそのまま買って帰り、「これは無理だわ」と思ったら店員さんにお願いするんです。
しかし、化粧品のテスターを思い浮かべてみて下さい。
体験用フィルムは多くの人が触ることになりますから、間違いなく劣化します。
一週間もすればキズ、ホコリまみれとなり、使い物にならなくなるでしょう。
簡単な方法ではありますが、現実的ではありません。
化粧品売り場に行くのかよお前
次に思いついたのは、「器用さレベルを掲示する」方法です。
こういうことです。
レベル1 | 紐をちょうちょ結びできる |
レベル2 | 折り鶴を作れる |
レベル3 | 針の穴に糸を通せる |
レベル4 | お好み焼きをきれいにひっくり返せる |
レベル5 | トランプでタワーを作れる |
レベル6 | ボトルシップを作れる |
レベル7 | モスバーガーを、中身をこぼさずに完食できる |
このように、器用さの尺度を示したリストを売り場に掲示しておきます。
そして、各フィルムごとに「このフィルムをきれいに貼るには、レベル4以上の器用さが必要です」などと明記するわけです。
そうすれば、お客さんは自分の器用さレベルに応じたフィルムが買える!
しかし、見栄を張るお客さんが出てきそうです。
関西から上京してきて以来、久しくお好み焼きを作っていない青年が「お好み焼きぐらい楽勝や!」とレベル4向けのフィルムを購入し、自宅でスマホを気泡まみれにして絶望する姿が目に浮かびます。
自らの正確なレベルを知ってもらうためには、もう一工夫必要でしょう。
誰だよその青年
というわけで最も確実な手段、実技テスト!
フィルム貼りを店員に依頼せず、自分でやろうとするお客さんに、
「本当に貼れるんですか?後悔しませんね?安物買いの銭失いとも言いますよ?」
というメッセージを暗に込めて(ほんとに言っちゃうと角が立つから)、器用さを試してもらうんです。
例えば、レベル7向けのフィルムを買おうとするお客さんがいたら!
この世で最も器用さが求められる、「モスバーガーを中身こぼさずに完食」に挑戦してもらいましょう!
ソースも玉ねぎも、そしてトマトも逃がさずに食べられる人間こそが、最も貼り付けが難しいレベル7のフィルムを購入する権利を得るのです!
そこまでして誰が買うんだよ
家電量販店を歩いていて、覚えのあるハンバーガーの香りが漂ってきたら思い出しましょう。
きっと近くにフィルム売り場があります。