元号が平成から令和に変わる瞬間、私はこんなところに居ました。
横浜にある温泉施設「スカイスパ」です。
横浜駅直結のビル「スカイビル」の14階にあり、大浴場から横浜の景色を一望できます。
サウナもある、マッサージもある、レストランもある、カプセルホテルもあって宿泊できる、容易に思いつく範囲内の設備ももちろん高クオリティなんですが、さらに、
「コワーキングサウナ・KOOWORK(クーワーク)」
なるものが備わっています。
PCやタブレットを持ち込んで作業したり、大型ディスプレイもあるので複数人で会議も可能、しかも「作業に詰まったらサウナでリフレッシュできますよ」と、民衆の意識高くありたい欲をえげつないぐらい的確にすくい取ったスペースです。
まあ、今日の本題ではないので紹介はこれぐらいに留めておきますが、いいところですよ、ということだけ明確にしておきます。
ちょっと悪意あるぞ
で、私は4月30日に宿泊を予約しました。
さらに、4月30日の23時30分から、60分のフットリフレクソロジー(足のマッサージ)を受けたんです。
おわかりでしょうか。
「平成から令和への移り変わりを、マッサージを受けつつ迎える」
これがやりたかったんです。
その瞬間をカウントダウンするのではなく、別のことに没頭していたら気づかぬうちに令和になっている、これぐらいのテンションで迎えたかったんですね。
ですから、元号が切り替わる瞬間、おそらくテレビ各局では特別番組をやっていたでしょうし、ネット上でもいろんな企画があったかと思いますが、私は足裏に強烈な指圧を食らって身もだえしていました。
足裏マッサージは久しぶりに受けたんですが、あんなに痛いとは予想外でした。
さて、問題はマッサージが終わったときです。
60分経過して、5月1日の0時30分。
説明するまでもなく、既に令和に突入しています。
マッサージ師さん:はい、終わりでーす。ゆっくり起き上がって下さーい
フクイチ:はい…ぅあ~~~(よろよろと起き上がる)
マ:凝ってましたねー。右足のふくらはぎの辺りが特に凝ってましたよー。1足裏だけでなく、ひざ下全体のマッサージでした。
フ:あ、そうですか…足裏もけっこう痛かったです…(ヒリヒリ)
マ:ああ、痛かったんですね~特にどのあたりですか?
…こんな感じの会話をしていて、あの一言が脳内に浮かび上がりました。
「令和になりましたねー」
間違いなく、一生のうちでこの言葉を放つのに、最も適したタイミングでした。
というか、それを狙ってマッサージの時間を設定したわけですから。
が、
マ:ありがとうございました~
最後まで言いませんでした。
言わなかったのかよ
思ったんですよ。言うなら今しかない、って。
だけどね、言われた側の心理を考えてみて下さいよ。
「あ、そうですねー」
これぐらいしか言うことないやろ?返答に困るやろ?
これがもし、「今日、僕の誕生日なんですよー」と言っていたら、「えっ、そうなんですね!おめでとうございます!」が最も自然な反応だと思うんです。2例えばの話です。私は11月生まれです。
ですが、5月1日から元号が変わるのは、ずっと前からわかり切っていたことです。
一生のうちに何度も迎えられないレアイベントではありますが、そこに驚きや意外性はありません。
だから「あ、そうですねー」と答えるしかなくて、そのまま話が終わっちゃうと思うんです。
せいぜい「でも、あんまり実感わかないですよね(笑)」などと付け足すぐらいでしょう。
そうなることが予想されたので、マッサージ師さんを空虚な結末に巻き込みたくないと配慮した結果、私は「令和になりましたねー」を引っ込めたんです。
しかし、まだ令和になって4日しかたっていません。5月7日には連休明けも控えています。
ということは今後、「令和になりましたね」の話題を、今度は私が誰かから振られる可能性もあります。
そのとき、私は何と返事すればいいんでしょうか?
お待たせしました、それでは本日のテーマです。
よろしくね。
導入が長ぇな
まず、最悪なパターンを考えてみましょう。
「令和になりましたねー」
「もー、テレビもその話ばっかりで、もう令和ー!って感じですよねーw」
ダジャレです。
しかも、話し相手の良心を裏切る、悪質なタイプのダジャレです。
せめて、これよりはまともな返しを目指しましょう。
ケース1
「令和になりましたねー」
「なりましたねー。元号が変わる瞬間は何してましたか?」
いいですね。
相手が何をしていたかによりますが、話の広がりを感じさせます。
私は足つぼトークしかできませんが。
ケース2
「令和になりましたねー」
「なんか入籍してる人多いですよねー」
各種ニュースやtwitterを見ていると、令和の最初の日を狙って婚姻届を出した方々がたくさんいるようです。
微笑ましい話題ですが、相手の婚活事情等によっては不適切かもしれません。
ケース3
「令和になりましたねー」
「書類書くときに、間違って平成って書いちゃいそうですよねー」
いわゆる「習慣ってなかなか抜けないですよね」という類の話題です。
こうやって話に出しておけば、自他共にミスを防止できるという効果も期待できます。
ケース4
「令和になりましたねー」
「上皇の最後のおことばには感動しましたよねー」
元号の切り替わりから、天皇陛下の譲位に話を持っていくパターンです。
しかし、自分も相手も儀式をちゃんと見ていることが前提となるため、若干難易度は高いです。
ケース5
「令和になりましたねー」
「もう昭和なんてはるか昔ですよねー」
昔を懐かしむ話題は、誰にとっても話しやすいものです。
ただし、一同が老いを感じて凹むルートは避けるようにしましょう。
ケース6
「令和になりましたねー」
「次の元号は何になるんですかねー」
それは先取りしすぎ。
まあ、これぐらい考えておけば、とりあえずしのげるでしょう。
会話を「しのぐ」ってどういうことだ
以上、ここまでは私が考えた返しですが、それだけでは限界があるので、最後にSiriに聞いてみましょう。
残念。Siriは追試の必要がありますね。