銀河鉄道の帰還
こんにちは、フクイチです。
所用があり、先日千葉に行ってきました。あまり無い機会です。
千葉駅からは、千葉都市モノレール(以降、千葉モノレール)が運行しています。
レールにぶら下がって走る「懸垂型」であり、懸垂型としては世界最長の営業距離で、なんとギネスに認定されているそうです。1参考:千葉都市モノレール公式サイト
電車といえばレールの上を走るもの。
そう思い込んでいたし実際に見てきた自分としては、上下関係が逆転しているだけで異世界の乗り物かのように見えます。
「これを最初に思いついた人、社内で変わり者扱いされなかっただろうか」などと余計な心配をしつつ、写真に収めました。
あ、ラッピングされてる。車体が丸見えな分目立ちますね。
「頭上モノレール注意」ね…はいはい……
え?どういう意味?
別の支柱にもありました。
確かに頭上をモノレールが走ってますが、何に注意せよと警告してるんでしょうか?
まさか、「たまにモノレールが落ちてくるから、うまく避けてね☆」とでも?
千葉モノレールがレールから外れて落下するなんて、絶対にありえません。もし起こったら世紀の大事故ですよ。
瞬く間にニュースになり、テレビ東京ですら特番を組むでしょう。
じゃあ、
今日はこれについて、仮説を立てた上で、実際に千葉モノレールに問い合わせて意味を確認しました。
どんなに脱線しても最後には戻ってきますので、安心しつつお読み下さい。
想像して仮説を立てよう
この図で説明します。
日常で「頭上注意」と言われたら、
- 落下物に気をつけてください
- 頭をぶつけないように気をつけてください
の、どちらかであることが多いですよね。
前者の可能性はすでに否定されましたから、もう後者しかありません。
とすると、「頭上モノレール注意」が対象としている人物像が見えてきます。
千葉モノレールに頭がぶつかるぐらい背が高い巨人さん
レールの高さについては公式サイトに記載が無いんですが、車両の高さが約3mとのことなので、少なくとも10m以上はありそうです。
それに頭をぶつけるぐらいの巨人さんが、実は千葉に住んでいるのではないでしょうか?
「そんなバカな」という声がどこからか聞こえてきましたが、こう考えないと「頭上モノレール注意」の存在意義がありません。
ですが私、ここで大きな矛盾に気づいてしまいました。
警告の位置が低すぎて、巨人さんからは見えません。
もし「頭上モノレール注意」が巨人さんをターゲットとしているなら、これは痛恨の設計ミスです。
まるで、「大きいサイズの方向け」なのに入口がめちゃくちゃ狭い紳士服店のようです。
でも、ギネスも認めた千葉モノレールさんが、そんなポカミスを犯すとは思えないんですが…
…あ。
ひょっとして、
巨人さんは足首にも目がついているのでは?
正面から見るとこんな感じで、顔にある目とは別に両足首に一つずつ、合計4つの目を持っている。
そして、あの警告は足首の目の高さに合わせたものである…
一瞬そう考えましたが、さすがの私も「そんなバカな」と思い直しました。まだ自分にも常識が残っていてよかったです。
そうですよね!万が一巨人さんが実在したとして、まさか足首に目がついているなんてこと、
あり得る。
別にこの表示に限らず、身長が10mもあったら足元に目が届かないでしょう。
足の小指をタンスにぶつけて激痛。うっかりレゴブロックを踏んで悶絶。そういった悲劇は、巨人といえども避けたいはずです。
ならば、足元の様子をしっかり確認できるように、身体がそれ用に進化して足首に目を備えていてもおかしくないのでは?
巨人に足首の目はあって当然、なんなら無い方がおかしい。だんだんそう思えてきました。
え、常識?
ははっ、あいつはどっか行っちゃったよ…どうも俺とはソリが合わなかったらしい…もう会うこともないだろうな…。
さようなら、常識…
千葉に巨人さんがいて、しかも足首に目を備えていると考えれば、「頭上モノレール注意」の意味も納得できます。
しかし、そんな巨人さんが住んでいるとは、千葉ってなんて奥深いんでしょうか。
もうモノレールなど関係なく、巨人さんの日常生活について興味が尽きません。
たとえば。
視力が下がった場合、私たちにとって一般的な対処法はメガネですよね。
でも巨人さんの場合、足首の目にメガネをかけるんでしょうか?
それ、どんなメガネ?
針金で自作してみました。
こういう、レンズが一個しかないメガネがあって、くるぶしにツルをひっかけたりするのか?
くるぶしってそこまで出っ張ってるか?数歩歩くだけでずり落ちないか?それとも巨人だと違うのか?
いや、いくら巨人さんでも、くるぶしが耳のように出っ張ってたら日常生活に支障をきたすのでは…
あ、わかった。
要は足首にレンズがフィットしてたらいいんです。
つまり、レンズと一体化した靴下があるんですよ。きっと。
こうやって、目の部分だけ穴が開いててレンズがはめ込まれている、画期的な靴下があるんですよ。たぶん。
JINSとユニクロが共同開発したんですよ。おそらく。
いや、待てよ。だとすると、
洗濯機に放り込んで、シャツやらパンツやら革ジャンやらと混ぜこぜにぐるぐる回したら、レンズが割れたりしないでしょうか?
うっかりティッシュをポケットに入れたままの服を洗濯して、洗濯物が紙吹雪まみれになった経験はないでしょうか。
それが粉々になったレンズだとしたらどうか。想像したくもない悲劇です。
レンズ合体型の靴下は、この問題をどうしているのか…
あ、わかった。
要は洗濯機に頼らず洗濯できたらいいんです。
つまり、レンズ靴下のつけ置き洗い専用洗剤があるんですよ。きっと。
こんな感じで、レンズ靴下をつけておけば、レンズの汚れも靴下の汚れも一気に落ちる!という革新的な洗剤があるんですよ。たぶん。
JINSと花王が共同開発したんですよ。おそらく。
商品名は「アイボールド」ですよ。そうに違いない。
目のトラブルと言えば、あれもありますよね。
顔の方の目に目薬を差すのは、私たちと同じように天井を向けばいいです。
では、足首の目に目薬を差すには?
目を上向きにしないといけないから…
こうやって床に足を投げ出して、今からヨガやるの?っていう体勢になって、手をうーんと伸ばしておりゃ!と目薬を差すしかありません。
これを一日に何度もやってたら、必然的に体がやわらかくなるでしょう。
巨人さんがドライアイになると体がやわらかくなる。
今、新しい「あるある」を発見しました。スマホでこれを読んでいる巨人さんもうなずいているはずです。
あ、そうそう。目と言えば、
大のディズニーファンである巨人さん。最新作の映画を見に行きました。
数時間後、
号泣に次ぐ号泣で顔はぐしょぐしょ、そして足首の目も泣いちゃうから靴下びしょびしょですよ。もっと泣いたら靴がプールになりますよ。
映画館に行くとき、ハンカチと替えの靴下が必要です。これも「あるある」なんでしょうか。
というか、ここまで書いておいて、根本的な問題を忘れてました。
普通の人なら「右目」だけで区別できますが、巨人さんの場合は「右目」だけだと、顔の方なのか足の方なのかわからないですよね。
ですから、
このように「顔右目」「顔左目」「足右目」「足左目」とでも呼ぶしかありません。なんてまどろっこしいんだ。
で、それならそれで、さらに困ることが出てきます。
巨人さんが、職場の同僚である平均身長の人に、
「いやー、今朝から顔右目が充血しちゃっててさー」
と話し始めても、
「は?カオミギメ?」
と、けげんな顔をされるでしょう。
私たち凡人は「右目」で通じるので、巨人さんは私たちとの会話では「顔右目」を「右目」に変換せねばなりません。
上京したての関西人が、地元ではマクドナルドのことを「マクド」と呼んでいたのに、関東の空気を読んで「マック」と呼ばねばならない。それと同じ苦悩を味わうハメになります。
以上、近視でドライアイで涙腺ゆるゆるで気苦労の多い四つ目の巨人が「頭上モノレール注意」のターゲットである、という仮説をお送りしました。
この記事はモノレールの話です。
今こそ常識を取り戻す時!
実際、どういう目的の注意書きなんでしょうか?
公式サイトのお問い合わせページを確認し、総務部総務課に電話で聞いてみました。
「歩いている方や、車を運転されている方への注意ではないんですが…」と前置きしつつ、とても丁寧に解説して頂きました。
以下にまとめます。
結論から言うと、「建築限界の警告」です。
千葉モノレールに限らず、鉄道には「建築限界」というものがあります。
「建築限界」とは、鉄道の運行を妨げないように、建築物を建てたり機材を侵入させてはならない範囲のことを言います。
千葉モノレールは懸垂式であるため、レールの下で工事をする場合、クレーン等が建築限界に侵入しないように注意しなければなりません。
よって、そういった工事関係者向けの注意喚起として「頭上モノレール注意」を掲示しているのです。
※建築限界の具体的な高さは非公表とのことです。
千葉都市モノレール総務部総務課さん、ありがとうございました。
お礼として、公式Twitterアカウント「モノちゃん@千葉モノレール」を宣伝させて頂きます。
かわいい。
以上、確認でした
千葉で「頭上モノレール注意」を見たところから始まり、想像はまさにレールを外れて天空を駆け回りましたが、どうにか地に足の着いた答を得ることができました。
銀河鉄道の帰還
最後までお読み頂き、ありがとうございました。