amazonさん、少し書きすぎたものですから
こんにちは、フクイチです。
友人のツイートがきっかけだったかと思いますが、先日、このような本を知りました。
『文系AI人材になる』
奥付によると、発行は2020年1月2日。
著者は、野口竜司さんという方です。(Twitterアカウントはこちら)
文系か理系かで言えば、それはもう私は完全なる理系です。
センター試験では古文と日本史で大苦戦し、大学から大学院までの6年間コンピューターサイエンスに打ち込み、書類よりも人の顔よりもプログラムを見る時間が一番長い仕事に就いています。
そんな理系どっぷりの人間が、なぜこの本に興味をもったのか。
理系出身だからといって、AIに詳しいわけではないんです。
本格的にAIの勉強をしたことは無いですし、業務内容もAIの有効活用とは程遠いレベルです。
一方、ただ生活しているだけで無数に飛び込んでくる、「AIで業績改善」「AIで働き方が変わる」類のニュース。
しまいには「AIによって奪われる仕事トップ25」などと、そんなに人を不安にさせてどうすんだと言いたくなるランキングが出てくる始末。
『文系AI人材になる』の帯にある、
「AI社会になって、ボクは職を失わないだろうか?」
「文系のワタシが、AIでキャリアアップするには?」
の不安は、「文系」の一点を除けば、まさしく私が抱えていたものです。
よって私は『文系AI人材になる』を読みました。この記事で紹介します。
ただし、「書評」や「レビュー」というよりは、
を書きます。
これを一言で表せる言葉が欲しいです。
読むとどうなるのか
さて、この本を読む前の人は、
「AIってそもそも何なんだろう、私が理解できるんだろうか?」
「AIによって仕事が奪われるって本当だろうか?」
といった疑問を抱えていることでしょう。
それらの疑問は『文系AI人材になる』を読むと、こういう疑問に変わります。
「あの会社のAIサービスは、どのように作られたんだろうか?」
「自分の仕事で、AIを活用できそうな課題は無いだろうか?」
「AIを活用する中で、自分の能力はどう活かせるだろうか?」
つまり、
- 漠然とした疑問
- 不安を伴う疑問
- できれば考えたくない疑問
が解消し、その殻を破ってひよこが顔を出すように、
- 具体的な疑問
- 希望に近づくための疑問
- 積極的に考えたい疑問
が誕生するんです。
この本は、AIの活用法に関して答を与えてくれる本ではありません。
読者が「じぶん達なりのAI活用法」を手に入れるまでの、道しるべを示す本です。
まず、AIによって明らかに世の中は変わっていること、しかしそれを恐れる必要はないという提言から始まります。
次いで、AIにできること、学習の方式や機能による分類などが、数式やプログラミング等の理系知識を極力排除して説明されます。
理系の私なら「このプログラムの内部構造は…」と語ってしまいそうな用語でも、決してそこには踏み込みません。あざやかに切り捨てて、意味の説明に徹しています。
とりわけ読者にとって心強いのは、「AIとの共働きスタイル」の解説でしょう。
これによって、AIは人間から仕事を奪うだけではない、むしろ人間の可能性を拡げるものであることがよくわかります。
そして、おそらく誰もが知りたいのが「第5章 AI企画力を磨く」の章。
AIの作り方ではなく「活かし方」にフォーカスした、ある意味この本の真骨頂とも言えるところです。
といっても、広く知られている「5W1H」の原則にのっとって記述されているため、肩肘張らずに読めばなにも難しいことはありません。
特に重要だと思うメッセージ、これだけ抜粋させて頂きます。
(p.199)
これは、前章まででAIを基礎から説明しているからこそ書けることです。
成功事例の表面だけを見て模倣せず、「AIができることの基本」に立ち返ることの大切さを訴えています。
アイデアを拡げる楽しさが湧いてきそうじゃないですか?
誰が読む本か
『文系AI人材になる』というタイトルですが、理系の人でもためらわず読むといい本です。
この本では、理系AI人材の仕事を「AIを作る仕事」と定義していますが(p.64)、今の日本で「AIを作る仕事」に従事している理系出身者はどれだけいるでしょうか?
決して多くはないと思います。
上記の通り、熱狂的なAIブームは2019年までで沈静化したと言われています。
しかし、腰を据えてAIについて学び、これからの活かし方を考えるには、むしろ今がちょうどいいかもしれません。
「問題を分析して解決する過程」の充足感は、理系なら経験があるでしょう。
その意欲をAI活用に向けてみるのはどうでしょうか?
まず何をしたらいいかわからない?
ここにこんな本がありますよ。
と、おすすめしました
なお、この記事を一部抜粋して、amazonのレビューも投稿しました。(投稿したのは1月17日です。反映には少し時間がかかるかもしれません。)
いわば「一秒が一億円のおすそわけ」です。
amazonさん、少し書きすぎたものですから
最後までお読み頂き、ありがとうございました。