香港旅行で、有名な寺院であるところの「天后廟」を観光しました。
数々の神像が祀られています。
日本のそれと違ってたいへん色鮮やかで、迫力がありました。
しかし今日の本題は、ここにある「長寿橋」についてです。
これまた極彩色の綺麗な橋ですが、アピールポイントはルックスだけではありません。
この橋には「渡ると寿命が3日延びる」という言い伝えがあるそうです。
なんと具体的な言い伝えでしょうか。
これは聞き捨てなりません。
観光地に喧嘩を売るなよ
まず、お聞き下さい。
ここで私は、「橋を渡るだけで寿命が延びるわけないだろ!」と、言い伝えを否定したいわけではありません。
- 科学的に説明しろ!
- 渡ると人体のどこにどう作用するんだ!
- 寿命が延びたかどうかなんてどうやって確認したんだ!
- 少なくとも渡ってから3日間は死なないことになるが、そんなの保証できるか!
そういった野暮な文句をつけることはしません。今日は。
言い伝えがある以上、実際に寿命が3日延びるんだと信じましょう。
今日の日記は、それを信じた上での話です。
どうせ同じような事言うんだろ
そういうご利益があるとなれば、誰でも特に躊躇せず橋を渡るでしょう。
実際、私も渡りました。
しかし、我々は冷静に考えなければなりません。
「橋を渡る時間」を計算に入れていますか?
短い橋ですが、階段もあるので、歩いて渡ると10秒ぐらいはかかります。
つまり、「寿命が3日延びる」という触れ込みですが、それを得るために10秒を費やすので、実際に延びる寿命は2日と23時間59分50秒なのです!
たかが10秒、と軽んじてはなりません。10秒でも人生の一部です。
着なくなった服をリサイクルショップに売ったはいいものの、そのショップまでの電車賃はかかってしまった、という現象に似ています。
1円でも安いガソリンスタンドを目指して、ガソリンを消費しつつ走るようなもの、と言ってもいいでしょう。
「利益」や「お得」と名のつくものがあると、ついつい飛びついてしまうのが我々です。
しかし、そのメリットを得るために発生するコストは無いか?
これを常に、現実に即して考えなければなりません。
これこそが、かの長寿橋が私たちに与えてくれた教訓…
いや、待てよ
この長寿橋の事例は、リサイクルショップやガソリンスタンドと同列にしてしまっていいものでしょうか?
なにしろ、得られるものは「寿命」です。
2017年における、日本人男性の平均寿命は81.09歳。1https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33208190Q8A720C1EA2000/
一方、私が長寿橋を渡ったのは、34.03歳(34歳になって10日目)のことです。
平均寿命に従えば、橋を渡ったことによる「寿命+3日」のボーナスを私が受け取れるのは、およそ47年後です。2本当は、平均寿命ではなく「平均余命」というやつを基にすべきなんでしょうが、話がややこしくなるので省略します。
34歳のときに費やした10秒が、47年後に3日=25万9200秒になって返ってくる。
これは「投資」と呼ぶべきではないでしょうか?
なるほど、そう考えれば一気にありがたみが増します。
だって、倍率が半端じゃないですからね。
試しに、投資の中ではメジャーだと思われる「株式投資」と比較してみましょう。
Yahoo!ファイナンスの株価情報によると、2018年10月の1ヶ月間で最も値上がり率が高かったのは、福岡のメディアファイブ㈱という銘柄。
その倍率は約2.8倍です。十分すごいです。
これに対して、「長寿橋」銘柄の値上がり率、と言っていいのかどうかわかりませんが、とにかく投資対効果はどうでしょうか。
まず倍率は、10秒を投じて25万9200秒が得られるので、2万5920倍。
それにかかる期間は、81.09歳 - 34.03歳 =47.06年。
つまり、1年で約550倍、1ヶ月で約46倍になるということです!
なんという優良株!
名実ともに神銘柄です。
というわけで
投資先としてもお薦めの長寿橋に、皆さん是非とも足を伸ばしてみて下さい。
寿命も延びますよ。