裏タイトル
「俺は何をやってるんだ」との闘い
こんにちは、フクイチです。
※裏タイトルとは、正式な記事タイトルとは別に、遊び心でつけたタイトルです。
いきなりですが、趣旨からいきます。
CRAZY STUDYの記事「花粉の季節に!マスクが超スーパーウルトラ似合うスポーツBEST3」を天声人語っぽくアレンジしよう
いっこいっこ説明しますね。
経緯
2月9日、ライターの市場価値をすこしだけ上げるWebメディア「CRAZY STUDY」にて、我が目を疑う記事が公開されました。
マスクが超スーパーウルトラ似合うスポーツBEST3
もう「読んで下さい」としか言いようがないんですが、笑顔が絶えない平和な世界でマスクが引き起こす大騒ぎを描いた記事です。
日曜日の夜にあたたかい笑いを提供してくれました。
その前日の話です。
2月8日、私は「マニアフェスタ」というイベントに行ってきました。
マニアフェスタ
「片手袋マニア」「変なサイコロマニア」など、聞いたこともないマニアが集結し、それぞれのマニアが愛を表現した本やグッズが買えるイベントです。
私もいろいろと購入しましたが、その中に「文章分析マニア」であるもひもひさんの本「天声人語っぽい文章が書けるようになる本」がありました。
朝日新聞のコラム「天声人語」を分析し、典型的な論理展開や頻出ワードなどをまとめ、「こう書けば天声人語っぽくなる」テクニックが解説された本です。
この本と、先ほどのCRAZY STUDYの記事が、私の中でつながったんです。
あの記事を天声人語っぽくオールテキストにしたらどうなるだろう。
やってみないとわからない!書くぞ!
書いた!
これが「花粉の季節に!マスクが超スーパーウルトラ似合うスポーツBEST3」天声人語アレンジだ!
花粉症でマスクを外せないなら、マスクが相応しいスポーツに興ずればよい。中でも特筆に値するほどマスクとの相性に優れるスポーツが三つある。小欄の趣向に任せて頂くことを了承願いつつ、読者諸賢に紹介しよう▼筆頭は議論の余地なくフェンシングだ。二重のマスクで魅力も倍増。しかし激しい前後動のさなか異変が起こり、重低音愛好家が頻用するガスマスクの一卵性双生児へと進化を遂げた▼次いでスノーボードに想いをはせる。防寒も兼ねて一石二鳥。否が応にも高揚感の頂点に達するかと思いきや、秒刻みで情緒の谷が訪れるのは人の性。荒ぶる心象に打ち勝ったボーダーが、全顔マスクの三つ子に変貌したのは記憶に新しい▼マスクと言えばプロレスを忘れてはならない。元来強靭なプロレスラーが進化したら何が起こるか。マスクメンズは世を滅せんと圧倒的な力を手にし、人々が状況を理解する間も与えず世界は終了した▼我々が今生きている世界は、この比類なき人災を忘却させんと起動した「遺物」によって再構築されたと知る者ももういない。悲劇の記憶は無用に蘇らせること無く、静かに葬り去られるべきだと胸に刻む▼コロナウイルスの脅威にさらされた人々はマスクを求めて奔走し、電脳空間にあふれる高額転売には財欲ここに極まれりとため息をつく。しかしかつては創世の焦点であった布切れが、いまや市井の人々を病苦から守る鍵となったことは、何にもまさる僥倖ではなかろうか。水泳は無理。
解説
- 文中にある「小欄」「読者諸賢」「記憶に新しい」「胸に刻む」「僥倖」といった言い回しは、「天声人語フレーズ」としてもひもひさんの本に紹介されていたものです。
- 天声人語の基本構造が「キャッチーなテーマからの唐突な一般化」だと学んだので、キャッチ―なマスクの記事を丁寧に文章化し、最後の段落で唐突に時事ネタを持ってきました。
- 文の長さについては、朝日新聞のWebサイトに「603文字で6段落」とあったため、キッチリ踏襲しました。
- あと、制作中は終始これでした。
裏タイトル
「俺は何をやってるんだ」との闘い
謝辞
本記事を公開するにあたり、CRAZY STUDYのじきるう編集長に上記文章をTwitterのDMでお送りし、サイトへの掲載許可を頂きました。
じきるうさん、ありがとうございました!
そして、最後までお読み頂き、ありがとうございました!